旧白灯台

(きゅうしろとうだい)

最終更新日:2006年7月7日

■概 要
旧白灯台(略称「旧白」)は、横浜港で最も奥に位置する堤防のひ とつで、旧赤灯台と対になって設置されています。山下公園から最 も近くに見えます。南北に長く延びた堤防で、長さは200メート ル程度。中央でわずかに「への字」に曲がっています。両端には小 さな灯台が設置されています。堤防の形状としては最もシンプルで すが、崩れたブロックが沈み根になっているなど、堤防周囲は意外 に変化があり、釣り場としては、なかなか味のある場所です。
(概略平面図:寸法は不比例)
■詳 細
向こうに見えるのが旧赤灯台の堤防です。中央部でわずかに曲って いるのがわかります。写真右手が港の外側です。釣りをする場合は 上の段か、この外側の下段からになります。それぞれ幅は1メート ル弱です。ところどころ崩れているので、足元には十分注意が必要 です。
(旧赤灯台側を望む)
先に見えるのは山下埠頭です。満潮時の撮影なので内側(写真では 右手)が浸水しています。干潮時にはここに立つこともできますが 海面ぎりぎりなので、非常に危険です。
(山下埠頭側を望む)
山下埠頭側先端に設置されている赤灯台。50メートル程の船道を 挟んで、タグボートの桟橋が山下埠頭から伸びています。この船道 は様々な船舶が頻繁に往来しますから、船の起こす「うねり」には 常に注意してください。
(赤い灯台)
旧赤灯台側の先端には、白い灯台が設置されています。現在設置さ れている灯台は、高さが2メートル程度の鉄柱製の簡単なものです が、以前は立派な白灯台が設置されていたようです。これは私の推 測ですが、現在、山下公園の氷川丸の近くに設営されている白い灯台が、元々はこ
の堤防に設置されていたものではないでしょうか。というのは、そ れと同じような形状の赤灯台が、この旧白灯台と対になっている「 旧赤灯台堤防」に、現在でも設置されているからです。
(白い灯台)
堤防には数メートル間隔で、このような警告灯が設置されました。 最近、夜間にプレジャーボートが誤って堤防に衝突する事故が多発 しているためです。大切な設備ですから、破損などしないように注 意しましょう。
(警告灯)
■眺 望
ここは大桟橋から最も近い堤防で、大型船舶が頻繁に行き交います。 写真は目の前を通っていく豪華客船の「飛鳥」です。まるで大きな ビルが動いているようで、見るだけでも圧倒されます。
(豪華客船「飛鳥U」)
内側を見れば、正面に「みなとみらい」のビル群が、ちょっと左手 には山下公園や氷川丸が見えます。
空気の澄んだ晴天の日には、ランドマークタワーのちょうど左手に 富士山が見えます。横浜沖堤の中で、ここからの眺望が最高だと私 は思っています。これを見るだけでも、この堤防に来る価値がある と言っても過言ではありません。まさに「海から見る都会」の景色 が満喫できますよ。
(みなとみらい21地区)
■釣りもの
この堤防での釣りものは、クロダイ、スズキ、アイナメ、ウミタナ ゴ、メジナ、ベラ等ですが、最近はめっきり数が減り、ここを訪れ る釣り人は少なくなってしまいました。しかしここでは、時折、大 型のクロダイやスズキが上がったりする穴場的な存在であり、ベテ ラン釣り師の中には、ここにこだわって通う人もいます。
■釣りのポイント
この堤防は、砂地にケーソンを直接置いたような構造で、一般的な 堤防のように、周囲にゴロタ石が積んである様子はありません。
つまり、コンクリートのケーソンから、いきなり砂地、といった感 じです。ただ、所々に岩礁帯があり、それが適当な隠れ根となって 魚が住み着いています。>また、長い間に堤防の一部が崩れて海中に 沈み、それが漁礁になっている場所もあります。
(沈んでいるブロック)
◆◆ご注意!◆◆
この堤防は、風を避けるような構造物が全くないために極端に風に 弱いところです。特に冬の北風は、堤防と平行に吹きますから、ま すます逃げるところがありません。堤防も低いので、強風のときに 大きな波が打ち寄せると、そのしぶきを頭からかぶることもありま す。特に西風には注意が必要です。普段は穏やかな堤防ですが、ち ょっとした天候の変化で危険な場所に変身しますから、油断は禁物 です。常に周囲に気をくばり、大きなうねりがきたら迷わず最上段 に退避しましょう。満潮時にはうねりの一部が最上段を襲う>ことも ありますから、持ち物や釣り道具などは、常に身につけておくか、 灯台などにロープで固定しておくようにしてください。また、古い 堤防ですから、ところどころで崩れています。足元 には十分注意して歩いてください。


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