横浜港の沖堤群

最終更新日:2006年8月7日

「沖堤」というのは「陸続きではない防波堤」のことです。沖堤は 昔から恰好の釣り場として多くの釣り人に親しまれてきました。行 楽シーズンには、家族連れや職場のグループなど大勢の人たちが魚 釣りを楽しみにやってきます。こうした横浜港の沖堤について紹介 しましょう。

横浜沖堤群は、港の奥から入り口にかけて三列にわたって設置され ています。外側の沖堤ほど新しく造られたものです。沖堤の歴史は 横浜港の歴史そのものと言えます。(下図参照)


(沖堤配置図)

最も内側に位置するのが「旧白灯台」「旧赤灯台」呼ばれる堤 防です。ちなみに、防波堤は必ず白い灯台のある堤防と、赤い灯台 のある灯台が1対になって設置されています。港から外側に向かっ て右側に白い灯台が設置されます。 旧赤灯台の延長上にあるのが「四畳半」と呼ばれる堤防です。最 近、四畳半の奥の部分にも渡してくれるようになりました。「十米 (じゅうめーとる)」と呼ばれる部分です。
そして、ちょうどベイブリッジの真下に配置されているのが「沖白 灯台」「沖赤灯台」です。通常は単に「白灯」「赤灯」と呼ん でいます。それぞれの堤防の陸側には「テトラ堤」「ハナレ」 と呼ばれる堤防があります。ベイブリッジの展望台(スカイウォー ク)からは、「沖赤灯台」や「ハナレ」の様子を真下に見ることが できます。 港の最も外側に位置するのが「第一新堤」「D突堤」です。第 一新堤と対になっている赤い灯台の防波堤(第二新堤)もあり、以 前は渡船で渡ることができたのですが、数年前に大黒埠頭の先端に 海釣り桟橋が建設され、今は渡堤できなくなってしまいました。

以上が船で渡ることができる横浜の沖堤です。なお、ここで記述し ている堤防の名称は、あくまで「釣り場」としての俗称であり、正 式な港湾施設名称とは異なります。

■沖堤の構造
横浜港に設置されている沖堤は、基本的には下図のような構造にな っていると思われます。堤防によって多少寸法等の違いはあります が、大まかにはこのようのものです。釣りをする際には、これを参 考にして、海中の様子を想像してみればいいでしょう。水中にも見 えないケーソンの出っ張りがあったりしますから、ヘチを狙う場合 にはそれを考慮する必要があります。できれば干潮時に、よく観察 しておくとよいでしょう。


(沖堤の基本構造)

◆◆ご注意!!◆◆
これらの沖堤は、港を高波などから守るための「港湾施設」であり、 釣りなどの行楽用に作られたものではありません。したがって本来 は釣りをすることはもちろん、立ち入ることも禁止されている場所 であることを忘れてはなりません。不特定多数の人間の利用を前提 としていないために、安全を確保するような設備もありませんし、 一般人が触れてはならない設備があったりもします。沖堤での釣り においては、節度を守り、施設を大切に使用し、自分の身の安全は 自分で守るよう心がけましょう。


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